山崎蒸溜所「ものづくりツアー」は、人生を考えさせられる!

山崎蒸溜所「ものづくりツアー」に参加して感じたこと

こんにちは。
酒政 中島酒店のしんさんです。

以前なかなか当選しないサントリー山崎蒸溜所の「ものづくりツアー」に当選したとお伝えしましたが、
そのツアーに先日参加してきました。

このツアー、なかなか抽選に当たらないことで有名ですが、
私はラッキーなことに当選しましたので、
ウイスキー好きとしても、酒屋としても、
とても楽しみにしていた一日でした。

7月にウイスキー館見学には行っていますので、
当日は、比較的落ち着いた気持ちで駅についたのですが、
ところが人生そう上手くはいかないもので・・・。

駅からの道中、私の靴の底がめくれて外れてしまいました。

靴の前の底がパカパカ開いた状態になって、
慌てて近くのコンビニを探して、
瞬間接着剤を買って靴の修理をすることになってしまいました。

そんなことで余裕を持って行ったはずが、
時間ギリギリになってしまって、
なんとか間に合ったという感じでした。

日本のウイスキー発祥の地

山崎蒸溜所は1923年に建設された、日本最初のモルトウイスキー蒸溜所です。
京都と大阪の境に位置し、豊かな自然と良質な水に恵まれた土地にあります。

「ものづくりツアー」では通常では入れないエリアにも案内していただきます。

原料から仕込み、発酵、蒸溜、熟成へと続く工程を
目で見て、音に聞いて、匂いを嗅いで、
その熱や空気を肌で感じて、歩いていきます。

ウイスキーづくりは本当に手間と時間の積み重ねだということを
まざまざと見せつけられる思いでした。

発酵槽から立ち上る香り。
蒸溜器の存在感と
1000℃以上の火を焚いている釜から伝わる暑さ。
そして静かに眠る熟成樽。

どれも写真や映像では伝わらない迫力がありました。
特に印象的だったのは
何年も何十年も時を重ねる樽が居並ぶ熟成庫です。

人間は待つことしかできません。
今の時代は何でも早く結果が欲しくなりますが、
急いだからといって10年熟成のウイスキーを5年で作ることはできません。

時間だけは誰にも短縮できないのです。
それは人の成長や人生にも少し似ているような気がしました。

そんな当たり前のことを改めて教えられた気がしました。

テイスティングで感じた「違い」

ツアーの最後にはテイスティングもありました。

樽によっても原酒の違いが生まれてきます。
香りの違い。
味わいの違い。
余韻の違い。

ミズナラ樽の原酒には、
微かなリンゴの香りと蜂蜜のような味わいを感じましたね。
(先にガイドさんが言ったからそう思ったのかもしれませんが・・・)

当然年数によっても変わってきます。
長く寝かしたからと言って、
良いものになるとは限らないとも説明されました。

最後はこれらの無数の組み合わせを、
ブレンダーの舌で合わせていくというのですから、
職人の技術のなせる技です。

普段何気なく飲んでいる一杯も、製造工程や熟成方法を知ってから飲むと、感じ方が大きく変わります。

「知ることは、味わうことを豊かにする」
そんなことを改めて感じました

同時にウイスキーの一本一本は、人生とよく似ているようにも感じてしまいましたね。
それぞれに個性が違うし、熟成のための時間が必要になる。

樽の中で静かに熟成する時間が必要なように、
人もまた経験や出会いを重ねながら少しずつ成長していくのかもしれません。

伝えるべきは、物の説明ではない!

また、勉強になったのは、
そのツアーをガイドしてくれた女性の方が、
非常に優しく丁寧に説明してくれるんです。

分かりやすく説明することは、ガイドとして当たり前ですが、
それだけではなく、そこに込められた創業者の想いや職人の心意気
担当者の考えていること、そして、自分の感想。

そのお酒の背景にある物語と人にも光を当ててくれるで、
よりウイスキーへの見方に厚みが出てくるんです。

そこには造り手の技術があり、
積み重ねてきた歴史があり、
そして気の遠くなるような時間があります。

日本酒でもワインでもウイスキーでも、
その背景を知ることで、お酒はもっと面白くなりますね。

お客様にお酒をお渡しするとき、
味やスペックだけでなく、
そのお酒が生まれた物語も一緒にお伝えしたい。
そんなことを改めて思いました。

今回、幸運にも山崎蒸溜所の「ものづくりツアー」に参加することができました。
本当に学びの多い時間でした。

皆さんも、もし抽選に当たる機会があれば、ぜひ一度参加してみてください。
きっとウイスキーを見る目も、飲む一杯の味わいも変わると思います。

もしお気に入りのウイスキーがあれば、ぜひ教えてください。

敬老の日は、感謝を伝える日だったんだ!

敬老の日に思うこと 〜一緒に飲む一杯の温もり〜

9月というと、シルバーウイークがあります。

来週には、最大で5連休のところもあるそうで、

なんとも羨ましい限りです。

そんなシルバーウイークの中は、なんと敬老の日があるんです。

(僧侶的には、この期間はバッチリお彼岸の時期なんですよ)

このお休みも敬老の日という名前の通り、人生の先輩方に感謝するためのお休みでもありますね。

皆さんは、おじいちゃんやおばあちゃんに何か贈り物を考えておられるでしょうか。

最近では、おじいちゃん・おばあちゃんにというだけではなく、

お年を召されたお父さん・お母さんにという意味で贈り物をされる傾向があります。

「お父さんが日本酒が好きなんです。」

「母と一緒に飲もうと思って。」

そんな言葉を聞くと、なんだかほのぼのとした気持ちになりますね。

もちろん、お酒そのものも贈り物として喜ばれるでしょうが、

本当に価値があるのは、お酒ではなく「一緒に過ごす時間」や自分のことを気遣ってくれた気持ちなのかもしれません。

一緒に飲めることは当たり前ではない

若い頃は、親が元気でいることが当たり前のように思えます。

いつでも会える。

また今度話せばいい。

そう思っているうちに、気がつけば親も年を重ねていきます。

私もそんな年齢になってきたんですがね(笑)

以前、息子がお酒を贈ってくれたことがありました。

酒屋の親にお酒を贈るなんて、少し不思議な話でしょう(笑)

でも、その気持ちが嬉しかったんです。

そのお酒を飲みながら、息子たちのことを思い出していました。

その優しさに心が温かくなっていく気がしましたね。

息子が帰省した時には、そのお酒を一緒に飲んでいると

いろんな話ができるように感じます。

何かギクシャクしているような雰囲気でも、

少しお酒が入るとなんとなく話ができることもあるんですよねえ。

お酒には不思議な力がありまして、

普段は照れくさくて言えないことも、

同じ杯を傾けながらなら話せることだってあるんですよ。

感謝の言葉も。

若い頃の思い出話も。

家族の何気ない会話も。

一緒に飲む一杯には、人と人との距離を近づける力があるように思います。

亡き人にお酒を供えるということ

一方で、すでに親御さんやおじいちゃんやおばあちゃんを亡くされている方もおられるでしょう。

敬老の日が近づくと、少し寂しい気持ちになる方もおられるかもしれません。

そんな時は、好きだったお酒をお供えしてみてはいかがでしょうか。

以前、お父様用のお酒を買いにきた女性の方が、

いろいろとお酒のことを聞いてこられたんです。

余程、お酒の好きな方なんだと思ってお話ししていましたら、

「もっと一緒に飲んでおけばよかったと今更ながら後悔しています。」

「もっと話をしておけばよかったと思っているんです。」と言われるんです。

よくよく聞いてみると、昨日お亡くなりになって、

好きだったお酒を御霊前のお供えするために買いにこられたそうでした。

その話を聞きながら、私も「お父さんに喜んでもらえるといいですね・・・」とお伝えしました。

すると、その方は少し涙ぐみながら頷いておられました。

そんな気持ちで手を合わせるだけでも良いのです。

仏さまやご先祖さまにお供えをすることは、亡き人のためだけではありません。

手を合わせることで、自分自身の心も整えられていくように思います。

懐かしい思い出がよみがえったり、感謝の気持ちを改めて感じたりすることもあるでしょう。

私は僧侶として多くの仏事に関わってきましたが、お参りの後に表情が穏やかになる方を何度も見てきました。

亡き人に向けた祈りは、巡り巡って生きている私たちの心を癒してくれるのかもしれません。

敬老の日だからこそ

敬老の日は、長寿を祝う日でもありますが、それ以上に「感謝を伝える日」ではないでしょうか。

もし親御さんがご健在なら、一緒にお酒を飲む時間をつくってみる。

もし亡くなられているなら、好きだったお酒をお供えして手を合わせてみる。

どちらも、心と心をつなぐ大切な時間です。

今年の敬老の日が、皆さまにとって温かな一日になりますように。

そして、その傍らに一杯のお酒があれば、酒屋としてこれほど嬉しいことはありません。

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お酒は人生を少し豊かにしてくれる理由

祝い事にも悲しみ事にも酒がある生活

こんにちは。

酒政 中島酒店のしんさんです。

私は酒屋を営みながら、僧侶もしています。
そんな仕事をしていると、つくづく感じることがあります。

それは、

「人の人生の節目には、必ずと言っていいほどお酒がある」

ということです。

お正月にはお屠蘇を飲み、
子どもが生まれれば祝杯をあげ、
結婚式では乾杯をし、
新築祝いにもお酒が贈られます。
昇進や退職、還暦や古希など、

人生の節目にはいつもお酒が寄り添っています。

もちろん、お祝い事だけではありません。
法事や法要の後には親族が集まり、
故人を偲びながら杯を交わします。

と言いましても最近の法事というと法要を理由に親戚が集まって、
美味しいものを食べにいく口実になっている様に思うこともありますね。

私が思う法事というのは、
本来、集まった人たちが車座に座って
故人を思い出して、思い出話に花を咲かすのが
本当の供養になると思っているのです。

「おじいちゃんは酒が好きだったな」
「昔はこんなことがあったな」
「親父はこんなこと言ってたなあ」なんてね。

そこには、きっと亡くなった故人がどこかでその話を聞いていて、
「おー、わしのこと思い出してくれてるやんけ〜!嬉しいの〜」と
言っている様に思うのですよ。


そして、そこに欠かせないのがやっぱりお酒なんですよ。
そんな思い出話が始まると、自然とお酒も進むものです

私は僧侶として多くの祝い事や仏事に関わってきましたが、
そんな時にあるお酒は、お酒そのものが大切なのではなく、

お酒が人と人との心をつなぐ役割を果たしている

のだと思うのです。

絶対に必要なものではない。
     でも、心をほぐすのも事実

最近では、お酒を飲まない人も増えてきました。
健康面から体に合わない人もいますので、
絶対に無理に飲んだり飲ませたりしてはいけません。
本当に嫌いで飲まない人もいるでしょう。それも大切な選択です。

ですから、お酒は決して「絶対に必要なもの」ではないとも思います。
だって、なくても生きていけますからね。

けれど、
人生において必要か不要かだけで考えるなら、
花も音楽も趣味も、なくても生きてはいけますよね。

それでも私たちは、
花を飾り、
音楽を聴き、
好きなことに時間を使います。

それは心に潤いを与えてくれるからだと思うんです。
お酒も同じではないでしょうか。

美味しい料理を囲みながら、
家族や友人と語り合う。

一日の終わりにほっと一息つく。
誰かの門出を祝い、
誰かを偲ぶ時間を持つ。

そんな場面に、お酒はそっと寄り添ってくれます。

だから私は、
お酒は人生に絶対必要なものではないけれど、

人生を少し豊かにしてくれるもの

だと思っています。

祝い事にも。悲しみ事にも。
人が人らしく生きる時間のそばに、
昔からお酒がありました。

お酒は、人の気持ちをほぐしてくれるものなのかもしれません。

これからも、そんなお酒との付き合い方を大切にしていきたいものですね。

だから私は、お酒を売っているのではなく、人と人をつなぐ時間をお届けしているのかもしれません

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