
祝い事にも悲しみ事にも酒がある生活
こんにちは。
酒政 中島酒店のしんさんです。
私は酒屋を営みながら、僧侶もしています。
そんな仕事をしていると、つくづく感じることがあります。
それは、
「人の人生の節目には、必ずと言っていいほどお酒がある」
ということです。
お正月にはお屠蘇を飲み、
子どもが生まれれば祝杯をあげ、
結婚式では乾杯をし、
新築祝いにもお酒が贈られます。
昇進や退職、還暦や古希など、
人生の節目にはいつもお酒が寄り添っています。
もちろん、お祝い事だけではありません。
法事や法要の後には親族が集まり、
故人を偲びながら杯を交わします。
と言いましても最近の法事というと法要を理由に親戚が集まって、
美味しいものを食べにいく口実になっている様に思うこともありますね。
私が思う法事というのは、
本来、集まった人たちが車座に座って
故人を思い出して、思い出話に花を咲かすのが
本当の供養になると思っているのです。
「おじいちゃんは酒が好きだったな」
「昔はこんなことがあったな」
「親父はこんなこと言ってたなあ」なんてね。
そこには、きっと亡くなった故人がどこかでその話を聞いていて、
「おー、わしのこと思い出してくれてるやんけ〜!嬉しいの〜」と
言っている様に思うのですよ。
そして、そこに欠かせないのがやっぱりお酒なんですよ。
そんな思い出話が始まると、自然とお酒も進むものです
私は僧侶として多くの祝い事や仏事に関わってきましたが、
そんな時にあるお酒は、お酒そのものが大切なのではなく、
お酒が人と人との心をつなぐ役割を果たしている
のだと思うのです。
絶対に必要なものではない。
でも、心をほぐすのも事実
最近では、お酒を飲まない人も増えてきました。
健康面から体に合わない人もいますので、
絶対に無理に飲んだり飲ませたりしてはいけません。
本当に嫌いで飲まない人もいるでしょう。それも大切な選択です。
ですから、お酒は決して「絶対に必要なもの」ではないとも思います。
だって、なくても生きていけますからね。
けれど、
人生において必要か不要かだけで考えるなら、
花も音楽も趣味も、なくても生きてはいけますよね。
それでも私たちは、
花を飾り、
音楽を聴き、
好きなことに時間を使います。
それは心に潤いを与えてくれるからだと思うんです。
お酒も同じではないでしょうか。
美味しい料理を囲みながら、
家族や友人と語り合う。
一日の終わりにほっと一息つく。
誰かの門出を祝い、
誰かを偲ぶ時間を持つ。
そんな場面に、お酒はそっと寄り添ってくれます。
だから私は、
お酒は人生に絶対必要なものではないけれど、
人生を少し豊かにしてくれるもの
だと思っています。
祝い事にも。悲しみ事にも。
人が人らしく生きる時間のそばに、
昔からお酒がありました。
お酒は、人の気持ちをほぐしてくれるものなのかもしれません。
これからも、そんなお酒との付き合い方を大切にしていきたいものですね。
だから私は、お酒を売っているのではなく、人と人をつなぐ時間をお届けしているのかもしれません
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